グリオット・シャンベルタン
GRIOTTE CHAMBERTIN

GRIOTTE CHAMBERTIN

2024年04月08日
ブルゴーニュフランス

ブルゴーニュの心臓部、ジュヴレ・シャンベルタンに秘められた宝石「グリオット・シャンベルタン」。この畑から生まれるワインは、その希少性と独特の風味で知られ、ワイン愛好家の間ではひそかな憧れの的となっています。

この村で最も小さな特級畑であるグリオット・シャンベルタンにはその畑のサイズでは語りきれないほどの歴史やワインのポテンシャルを有しており2大巨頭であるシャンベルタンやクロ・ド・ベーズの地位をも揺るがす可能性を現在有しております。

では、何がグリオット・シャンベルタンをこれほどまでに特別な存在にしているのでしょうか。その神秘を解き明かす旅に、あなたを誘います。この畑のユニークな歴史から、そのワインを手がける生産者たちの情熱と技術に至るまで、グリオット・シャンベルタンの全貌が明らかになるでしょう。続きを読むことで、あなたもグリオット・シャンベルタンの虜になること間違いなしです。

グリオット・シャンベルタンが注目されている理由

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この畑を語る際にまず最初に注目しなければならないのが、その名前です。「グリオット」とはフランス語で「サクランボ」を意味した言葉であり、造られるワインはまさにさくらんぼのように酸味が強く赤系果実の風味が豊かな上品なピノ・ノワールが多いです。

また、名前のもう一つの由来である「白亜質の土壌」です。土壌は水はけが良く、石灰の比率が高いためミネラルやスパイスを豊富に含んだワインが造られます。

そして最後に注目したい点としては、この小さな畑をたった8名の有名生産者で共有していますが、それぞれで違った味わいを表現しており、その希少性から年々価格も上昇し続けています。

グリオット・シャンベルタンが持つ上質なテロワール

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グリオット・シャンベルタンのテロワールは、その独特な地質学的特性と微気候が生み出す複雑な味わいのワインを形成します。ジュヴレ・シャンベルタン村に位置し、約2.65ヘクタールのこの小さな畑は、コート・ド・ニュイ地区のなかでも特に注目される場所です。

土壌は白亜質の岩石に由来し、水はけが良好でありながら、石灰の比率が高く、ミネラル豊富な環境を提供します。これは、グリオット・シャンベルタンのワインに独特のエレガンスとスパイシーな風味をもたらしています。

この畑は、比較的冷涼な半大陸性気候の影響を受けますが、特有の地形が太陽光を捉えやすい構造を作り出しています。畑全体が微妙に窪んでおり、かつて採石場だった場所に位置しているため、太陽の熱が集まりやすく、ブドウの成熟を助け、果実味に深みと甘さを加えます。このような条件は、グリオットという名前が示す通り、野生のチェリーのような酸味の効いた果実の風味をワインにもたらします。

さらに、グリオット・シャンベルタンは、ジュヴレ・シャンベルタン村の中でも特にミクロクリマの影響を受けやすい位置にあります。斜面の上部に近いこの地域では、冷たい空気が下へと流れることで、遅霜のリスクが低減され、ブドウの健全な成長が促されます。結果として、グリオット・シャンベルタンのワインは、その複雑性、構造、そして長期熟成のポテンシャルにおいて、ブルゴーニュ地方の中でも際立った存在感を放ちます。このテロワールが生み出すワインは、ブルゴーニュ愛好家の間で高く評価され、独特の風味と品質で知られています。

グリオット・シャンベルタンを囲う偉大な8つのグラン・クリュ

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それでは、グリオット・シャンベルタンが位置するジュヴレ・シャンベルタンには他にどのような特級畑があるのでしょうか。その特徴と違いを比較してみていきます。

シャンベルタン ブルゴーニュを代表する最高級畑の一つで、力強く複雑なワインを生み出しています。
シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ 630年にベーズ修道院が開拓した歴史ある畑であり優美で繊細な酒質が特徴​​的です。
リュショット・シャンベルタン 「小さな岩」を意味する名前が示すように、痩せた土壌と冷涼な風が特徴的な畑で、ミネラリーで鋭い酸味を持つワインを排出しています​​。
マジ・シャンベルタン 唯一プレモーの石灰岩の母岩が殆どを占める土壌で、野性味と堅固な骨格あり味わいが特徴的です​​。
シャペル・シャンベルタン 名前が示す通り、教会のような神聖さを感じさせる畑であり、繊細でエレガントなワインが多いです​​。
ラトリシエール・シャンベルタン 精妙さが際立つ軽快な味わいが特徴的で、繊細でミネラリーな風味を持っています。
マゾワイエール・シャンベルタン 豊満さと野生味、エレガンスが複雑性を紡ぎ出しており、がっしりとした味わいが特徴的です​​。
シャルム・シャンベルタン 凝縮した果実味と柔らかさが心を惹きつける、愉しみ溢れるワインを生み出しています​​。

ジュヴレ・シャンベルタン村最小の特級畑から造られるワインの特徴

グリオット・シャンベルタンで造られるワインは、その特有のテロワールから生まれる繊細かつ複雑な特性を持っています。色調は深いルビーからブラックチェリーに至るまでの鮮やかさを誇り、目を引く美しさを放ちます。香りにおいては、野生のサクランボやキイチゴを彷彿とさせる赤い果実のアロマが基調となり、まさに「グリオット」の名前が赤系ベリーのサクランボから来ていることが舌で感じられます。

また同時にリコリスやスパイス、バイオレットや苔、下草といったニュアンスが複雑に絡み合い、これらの香りはグリオット・シャンベルタン特有の石灰質土壌がもたらすミネラル感と見事に調和し、ワインに深みと多層性を与えています。

味わいにおいては、力強さと豊かさ、そしてエレガンスが見事に一体化し、溢れんばかりの果実味ときめ細やかなタンニンが口中を満たします。熟成が進むにつれ、コーヒーやスパイス、花や腐葉土、キノコなどの多彩なアロマが現れ、味わいの層を一層深めます。

熟成ポテンシャルや飲み頃について

熟成ポテンシャルは非常に高く、10年以上の長期熟成によって、その真価を発揮します。飲み頃に達したグリオット・シャンベルタンは、その複雑さと繊細さ、長い余韻が非常に特徴的で、香りや味わいを何時間も感じていたいと思えるほど華やかなものです。

グリオット・シャンベルタンは、その限られた生産量と独特の特性から、ジュヴレ・シャンベルタン村の中でも特別な位置を獲得しています。銘醸地の中でも最も小さな畑から生み出されるこのワインたちは、その希少性と高い品質で知られ、熟練の生産者によって丹念に造り上げられる逸品です。

ナポレオン時代に王室から愛されていた最小畑の歴史

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グリオット・シャンベルタンの歴史は、ブルゴーニュワインが世界的に認知される過程で形成された独自の物語を持っています。この畑はジュヴレ・シャンベルタン村において、最も小さな特級畑でありながら、その名声は大きく、ブルゴーニュ地方の歴史的背景と深く結びついています。

20世紀に入ると、グリオット・シャンベルタンはその品質の高さに気づいた世界中のワイン愛好家が高い評価を下すようになり、特に小規模ながら優れたワインを産出する生産者の存在が、この畑の名声を不動のものにしました。ドメーヌ・デ・シェゾーのような大地主が畑を所有し、その一部を優秀な生産者に貸し出す「メタヤージュ」システムは、グリオット・シャンベルタンのワインの多様性と品質の向上に大きく貢献しています。

また、グリオット・シャンベルタンのワインはナポレオン時代から貴族や王室に愛され、ブルゴーニュワインの中でも特に高い地位を築いてきました。しかし、その生産量の少なさから、市場で見つけることは容易ではありません。この希少性が、グリオット・シャンベルタンのワインをより特別な存在にしています。

グリオット・シャンベルタンは、その豊かな歴史と伝統を背景に、世界中のワインコレクターにとって、追い求める価値のある宝物の一つとなっています。歴史と共にこの畑の評価が移り変わっていく様は、ブルゴーニュワインの文化と伝統を今に伝える生きた証として、これからも大切に語り継がれていくでしょう。

グリオット・シャンベルタンの魅力を世界に届ける生産者について

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そんな異彩を放つ最小の畑は過去も現在も、少数精鋭のエリート生産者によってその価値が維持されています。主要な所有者にはドメーヌ・デ・シェゾーがあり、このドメーヌはポンソやルネ・ルクレールなどの生産者に畑を貸し出しています。また、クロード・デュガやフーリエ、ジョセフ・ドルーアンなどの生産者もグリオット・シャンベルタンの名声を世界に広めている立役者として知られています。

今回はグリオットシャンベルタンを所有する生産者の中で特に注目したい3名をピックアップしました。彼らそれぞれが生み出すワインの特徴を見ていきましょう。

メゾン・ジョセフ・ドルーアン

メゾン・ジョセフ・ドルーアンはこのエリアの名門生産者で、これまで家族経営を続けてきた歴史あるワイナリーです。シャブリやコート・ドールなど幅広いエリアでワイン醸造を展開しているためテロワールを最大限に表現するスタイルが特徴です。

そんな彼らが造るグリオット・シャンベルタンは複雑で洗練された味わいのワインに仕上がっており、彼らが大事にしているテロワールの魅力を反映したミネラルと若干のスパイス系を感じられるように仕上がっています。

  • メゾン・ジョゼフ・ドルーアン グラン・クリュ グリオット・シャンベルタン - 1988年

    MAISON JOSEPH DROUHIN GRAND CRU GRIOTTE CHAMBERTIN
    タイプ
    赤ワイン
    生産者
    生産地
    グリオット・シャンベルタン
    品種
    ピノ・ノワール
    容量
    750mL
    ヴィンテージ
    1988
    170,000円
  • クロード・デュガ

    年産わずか50ケースほどの超希少なグリオット・シャンベルタンを生産するデュガは、そのワインでスケールの大きさと同時に花のニュアンスが強い、非常に繊細かつ長い余韻を持つワインを生み出しています。独特のエレガンスが特徴です。

    ローラン・ポンソ

    ローラン・ポンソは、グリオット・シャンベルタンの中でも最大の生産量を誇り、ラズベリーの滑らかな果実味とポンソ特有の「レッドカラント」の風味が特徴です。エレガントでありながらも力強さを兼ね備えています。

    この地域のワイン一覧

    1本
    • メゾン・ジョゼフ・ドルーアン グラン・クリュ グリオット・シャンベルタン
      MAISON JOSEPH DROUHIN GRAND CRU GRIOTTE CHAMBERTIN
      1988 
      生産国フランス
      ぶどう品種ピノ・ノワール
      生産地ブルゴーニュ グリオット・シャンベルタン
      容量750mL
      170,000(税込)
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      ワインの詳細