シャルム・シャンベルタン

CHARMES CHAMBERTIN

シャルム・シャンベルタンは、ブルゴーニュ地方のジュヴレ・シャンベルタン村に位置し、コート・ド・ニュイ地区における最も著名な特級畑の一つです。この畑は、ジュヴレ・シャンベルタン村の北部に広がり、他の有名なグラン・クリュ畑と隣接しています。

特にシャルム・シャンベルタンはマゾワイエール・シャンベルタンと隣接しており、比較されて語られることが多いです。

またマゾワイエール・シャンベルタンの畑で収穫されたブドウは、シャルム・シャンベルタンを名乗ることが出来ます。そのため、マゾワイエール・シャンベルタンのブドウを使用しても、より知名度の高いシャルム・シャンベルタンの名前で販売されることもあります。

さらに、ジュヴレ・シャンベルタンのグランクリュの中でも頂点に君臨する「シャンベルタン」の隣の畑でもあることから、王の片鱗も垣間見れる非常に希少な特級畑です。

ブルゴーニュ愛好家の中ではそのポテンシャルの高さに惹かれこの特級畑のワインにハマる方が多いとも言われています。

シャルム・シャンベルタンのテロワールは、ブルゴーニュ地方のジュヴレ・シャンベルタン村に位置し、特有の地理的特徴を持つことで知られています。シャルム・シャンベルタンは、東向き斜面に位置しており、標高260～275mの間で展開しています。夏は暑く冬は寒い半大陸性気候のブルゴーニュ地方でも、北に位置するため比較的冷涼で、ピノ・ノワールのブドウ栽培に最適な条件です。冷涼な夜間温度がブドウの酸味を保ち、複雑性とフレッシュな味わいをワインにもたらします。

土壌に関しては、シャルム・シャンベルタンの地域は、上層部には泥土や砂利まじりの褐色土が数十センチメートル存在し、その下には石灰岩を含む粘土質の土壌が広がっています。地質学的には、上部はジュラ紀中期のバトニアンであり、その下にはバジョシアンの泥灰岩とウミユリ石灰岩が存在します。この土壌構造は、ブドウの根が深くまで伸び、必要な栄養素と水分を吸収するのに適しており、結果として力強く、深みのある味わいのワインを生み出します。また、土中に多く見つかる化石は、この地域が1億5千年前には海底であったことを示しており、ミネラル豊富なテロワールの存在を物語っています。これらの地質的特徴は、シャルム・シャンベルタンのワインに特有の複雑さと芳醇さをもたらし、その味わいに独自性を加えています。

シャルム・シャンベルタンで造られるワインは、ピノ・ノワールの優れた特性を反映した、ブルゴーニュ地方を代表するグラン・クリュの赤ワインです。まず色調に関して、これらのワインは鮮やかなルビー色から深いブラックチェリー色に至るまでの幅広い範囲を示します。この色の深さは、ブドウの成熟度と濃縮度を物語っています。

香りにおいては、木イチゴ、チェリー、スグリなどの赤い果実のアロマが基調をなし、そこに甘草やスパイスのニュアンスが加わります。さらに、バラやスミレの花の香り、コケや森の下草のような自然の香りも感じられることで、複雑性と奥深さが増しています。

味わいは、その力強さと豊満さで知られ、エレガンスと複雑性が見事に融合しています。豊富なタンニンが存在感を示しつつも、時間と共に滑らかになり、豊富な果実味とミネラル感がバランスよく広がります。シャルム・シャンベルタンは味わいの余韻が長いことも特徴です。

シャルム・シャンベルタンの歴史はブルゴーニュワインの中でも特に古く、長い年月を通じてその地位を確立してきました。この畑は、中世からワイン生産のために利用されており、その名前はその地に魅了された人々によって受け継がれてきました。

19世紀に、シャルム・シャンベルタンの評価はさらに高まりました。1937年のAOC制度確立によって公式にグラン・クリュの地位を獲得し、その後も一貫して高品質なワインを生産し続けることで、世界中のワイン愛好家から高い評価を受けています。

シャルム・シャンベルタンの畑は、著名な生産者によってそのポテンシャルが最大限に引き出されています。各生産者は、畑の独特なテロワールを活かし、個性豊かなワインを生み出しています。これらの生産者の技術と情熱が、シャルム・シャンベルタンのワインを世界的に有名にしています。